見た目は似ていても比べると全然違う
小松菜と見た目が似ている野菜と言えば「ほうれん草」です。見た目が似ているからどっちを食べてもいいかな、と思う方もいるでしょう。それは大きな間違いです。見た目が似ているだけで味はもちろん、含まれている栄養素や量は全く違います。小松菜とほうれん草の違いを知っておくと、購入するときにどちらを選ぶかの基準にもなるので覚えておきましょう。まず見た目の違いですが、小松菜は茎が太くしっかりしていて、葉は楕円の形をしています。ほうれん草は茎が細めで根本が赤く、葉が三角に近い形でギザギザしているのが特徴です。スーパーなどで購入するときに、ほうれん草か小松菜かどちらかわからなくて悩んだときには、根本の色を確認するのが一番わかりやすい方法となります。根本が赤ければほうれん草、赤くなければ小松菜です。味についてですが、小松菜はクセがなくさっぱりとした味わいで、ほうれん草は苦みがあり味が濃い目です。ほうれん草はシュウ酸が含まれており、摂取しすぎると尿路結石の原因となるため、食べるときにはゆでて水にさらさなくてはいけません。加熱することや水に長時間さらしてしまうと、水溶性ビタミンが水に溶けだしてしまうリスクがあるので、ほうれん草を調理する際には注意しましょう。小松菜にはシュウ酸がほぼ含まれていないので、加熱せずに生のまま食べることもできます。調理の手間を省きたい方は小松菜の方がおすすめです。「見た目」「味」を比較するだけでも、これだけの違いがあります。
含まれている栄養素も違う
小松菜もほうれん草もどちらも栄養価が高い野菜の代表です。どちらを食べても様々な栄養素をたっぷり摂取することができるのですが、量が違うので目的や好みに合わせて選択するといいでしょう。「鉄分」「ビタミンC」の量はどちらもそれほど変わりません。大きく変わる栄養素は「βカロテン」と「カルシウム」です。βカロテンは、ほうれん草の方が多く含まれています。βカロテンは体内に入るとビタミンAに変換され、皮膚や粘膜を健康にする手助けをしてくれるのです。肌をきれいにしたい、免疫力を高めたい、視力維持効果を期待しているという方は、ほうれん草の方がいいでしょう。カルシウムは断トツで小松菜の方が多く含まれています。骨や歯を作るために欠かせない栄養素です。骨粗鬆症予防に効果が期待できます。また、精神面を安定させる効果もありますので、疲れを感じやすい方やリラックスしたい方は小松菜を選びましょう。βカロテンもカルシウムも、量が変わるだけでほうれん草にも小松菜にも含まれている栄養素です。それほどこだわりがないならば、どちらを選んでも栄養は摂取することができますので、好きな方を食べて大丈夫です。このように、見た目は似ていても、含まれている栄養素の量は違うものがいくつかあります。どちらにもメリットがある野菜なので、自分の目的や好みに合わせて食べてください。