小松菜とは?歴史ある野菜に詳しくなろう

1,小松菜とはどんな野菜?

小松菜は、アブラナ科の野菜でチンゲン菜のような丸みがある葉が特徴的な葉っぱです。葉の長さは25センチ程度で緑色の葉をつけており、豊富なビタミンを含む大変栄養価が高い野菜の1つです。葉物野菜の中でもアクがでにくく、食べやすいためおひたしや漬物、和え物、汁物などさまざまな料理にも合います。周年出回っている野菜ですが、冬の霜に当たることで甘みが出て更においしくなります。耐寒性に強いため、非常に強い冷え込みであっても枯れることは少ない野菜です。そのため、昔から東京風の「雑煮」に使われており、冬の野菜として定番になっていますが近年では、小松菜を同じ系統の野菜と交配させ、これまでより暑さに強いことや食味が良いものなどが作られています。小松菜の特徴的な葉には、長葉系と丸葉系があり、丸葉系は暑さ、寒さに耐久できるため、丸葉系を選ぶことがおすすめでしょう。小松菜の花は、開花してしまうとえぐみが出て食べにくくなることがあるため、蕾のうちに収穫し、調理することがおすすめです。小松菜の収穫日数は栽培時期によりますが、秋冬まきは80日、夏場は20日程度と短くなっています。生育までの適温は10℃から20℃なので夏場の生育が良いと言われています。農家が育てる野菜の中でも育てやすい作物と言われています。農家が生産する際に大切なポイントは夏場の防虫と遮光、冬場の防寒をしっかり行うことでおいしい小松菜が作ることができます。

2.小松菜ができるまでの歴史

小松菜が現在の形になるまではさまざまな諸説がありますが、原種と考えられる野菜は南ヨーロッパの地中海沿岸や北欧スカンジビナ地域が発祥になっています。小松菜の起源となった野菜は、奈良時代から平安時代に中国から渡ってきました。その後、中国から入ってきた「茎立菜」を交配、改良して出来上がったと言われています。東京都江戸川区の葛西にて江戸時代中期に栽培されていたことから「小松菜」と呼ばれるようになりました。「小松菜」は江戸時代の書物に都度登場するため江戸っ子には大変人気があった野菜で、関東地方では多く広まっていたと考えられるでしょう。その後、関東地方から全国に広がり、各地の気候に合う系統が誕生しています。「女池菜」や「大崎」は新潟県で作られている小松菜の系統で、福岡県では「信夫菜」が関東地方の小松菜の仲間として作られてきました。現在の小松菜の栽培は、埼玉県や首都圏が多く小松菜が誕生したと言われる江戸川区でも豊富に栽培が行われているでしょう。現在でも江戸川区にある「香取神社」では、小松菜ゆかり塚があり地域の親しみのある野菜として知られています。また小松菜の命名には江戸時代、鷹狩りで小松川に訪ねた徳川吉宗が昼食に食べていた小松菜のすまし汁を気に入り「小松菜」と命名した諸説もあります。小松菜は冬になると見た目も濃くなり鮮やかな葉が印象的です。