小松菜は「熱」と「水」で栄養が失われてしまう
小松菜はβカロテンやビタミンC、ビタミンE、鉄分、カリウムなどがたっぷり含まれています。美容や健康に気を遣うならば、積極的に摂取したい栄養素ばかりです。
しかし、小松菜は調理方法に気を付けないと、せっかくの栄養素が失われてしまい十分に摂取することができません。これは小松菜に含まれている栄養素が「水に溶けやすい」ことと「加熱により壊れやすい」という特徴があるからです。
カルシウム・鉄分・ビタミンC・カリウムは、水に溶けやすい性質があります。そのため、水に長時間浸したり、洗いすぎるなら、せっかくの栄養素が水に溶けて失われてしまうのです。そしてビタミンCは熱に弱く、加熱しすぎると栄養素が壊れてしまいます。
せっかく健康にいい栄養素がたっぷり含まれている小松菜を食べるならば、その栄養素をできるだけ逃さずにしたいでしょう。栄養素を逃さず食べるおすすめの方法はいくつかあります。
生で食べるか脂で炒める方法がおすすめ
小松菜はほうれん草と違い、シュウ酸がほとんど含まれていません。シュウ酸は摂取しすぎると尿路結石の原因になるといわれているものです。そのため、ほうれん草は下茹でをする必要がありますが、小松菜は下茹でせずに生で食べることができます。アクも少ないので、生で食べても苦みなどが気になることもないでしょう。生で食べる場合には、小松菜に土などが残っている場合がありますので、よく洗ってください。洗いすぎると水溶性ビタミンが水に溶けだしてしまうので、大き目のボウルに水を張ってそこに小松菜を入れてゆすり洗いをすると土が取れやすいです。お好みのドレッシングやオリーブオイルをかけるとおいしく食べることができるでしょう。
加熱する場合には電子レンジ調理をすると、少ない水で加熱できるので水に栄養素が溶け出すリスクを減らすことができます。お好みの大きさに切ってから、耐熱容器に小松菜を入れて加熱してください。味噌汁の具に使うこともあるでしょうが、その場合は汁に栄養素がとけているので汁まで残さず食べるようにすれば、栄養素を逃さずに摂取することができます。煮物などに使う場合も、煮汁までしっかり食べるようにしましょう。
ビタミンCは加熱することで壊れてしまうのですが、小松菜に含まれているβカロテンは脂溶性ビタミンです。油と一緒に炒めて食べることで、吸収されやすくなります。油で炒める場合には、加熱時間をできるだけ短くするようにするなど工夫をすれば、栄養をできるだけ逃がさずに食べることが可能です。
小松菜に含まれている栄養素は、水に溶けやすく加熱にも弱いとされています。しかし、絶対に水に浸けるな・加熱するなと言っているわけではありません。水で洗う時間を短くする、水の量を減らして調理をする、汁までしっかりと食べる、加熱時間を短くするなど、ちょっと工夫すれば十分に栄養を摂取することができます。難しいことではありませんので、試してみてください。