小松菜は冬が旬の野菜として知られています。つまり、より美味しい、いい小松菜を作るには、秋から作り始めるのが良いということです。
■いい小松菜を作るには
初めて小松菜作りに挑戦するという初心者さんにおすすめなのが、秋栽培です。秋はそこまで暑くもならず、寒くもならないため、小松菜育成にちょうど良い温度が得られるというのも、秋栽培がおすすめする理由の一つです。
また、秋は害虫の心配がそこまでありません。小松菜に群がる害虫は春から夏にかけて多く発生します。盛夏を過ぎた秋頃には害虫もすっかり姿を潜めるので、秋の害虫対策は春夏場の害虫対策に比べると随分と楽になります。
初心者にとっては特に、この害虫対策がストレスを感じやすい作業になるので、より害虫が少ない秋から小松菜栽培に取り掛かると、上手くいくケースが多いです。
とはいえ、秋もまだまだ害虫対策は必要になるので、防虫ネットの設置は忘れずに行うようにしましょう。防虫ネットはビニールのものではなく、できる限り網目状のものを選んでください。目が細かい網であれば、虫も侵入しにくくなるので安心です。逆に、ビニールは小松菜の栽培空間の空気循環を悪くし、病気発生の原因を作り出してしまうので、極力使用は控えましょう。
それから、病気には要注意です。小松菜の病気は雨が多い時期や湿気が多い時期に発生しやすいため、梅雨期に当たる6月から7月頃は、特に注意が必要だと考えられています。
しかし、雨のシーズンはそれだけではありません。「秋の長雨」とも言うように、9月も雨が長く降る時期があります。梅雨期に関わらず、雨の降る時期は小松菜の病気が蔓延しやすくなるので気を付けましょう。
対策としては雨除け栽培を徹底し、できるだけ湿気とは無縁の、風通しの良い場所で栽培することです。もし病気の葉を見つけたらすぐに切り捨て、病気拡大を防ぐようにしましょう。
雨除けが面倒だからと予防に薬を用いる方もいます。しかし、薬には有害なものが含まれていることも多く、むやみに薬を散布することで、食べると有害な小松菜になってしまうこともあります。特に、家庭菜園初心者は小松菜の量や成長具合に応じて薬の量を調整するのが難しいので、薬に頼る病気予防はできるだけ行わないようにしましょう。
■甘くて美味しい小松菜のヒミツ
小松菜が冬の野菜と言われるのは、冬場に収穫された小松菜には甘味成分が豊富に含まれるからなのです。収穫前の小松菜が寒さに1、2度当たることで甘味成分が増すため、小松菜栽培は1、2度霜に当てるのが良いと言われるほどです。霜に当てないまでも、冷涼期間に栽培することで、春夏栽培する小松菜よりもずっと甘くて美味しい小松菜が育ちます。
ちなみに、秋に種まきして栽培する場合、大体50日から70日で収穫できると言われています。そのため、この時期に沢山小松菜を収穫したいと考えている場合は、2週間おきに種まきをするのがおすすめです。
ただし、真冬の栽培は小松菜が十分育たないことがあるので、おすすめできません。