鉄分が多い葉物野菜とは?

 

鉄分豊富な葉物野菜は?

鉄分豊富な野菜と言えば、ほうれん草を思い浮かべる人がほとんどのようです。しかし、実はほうれん草よりも小松菜の方が鉄分が豊富なのです。具体的な数字で比較してみると、100g中の鉄分含有量はほうれん草が2.0mgに対して小松菜が2.8mgとなっています。これは鉄分イコールほうれん草というイメージが変わるような数字です。

小松菜はスーパーなどで一年中売られている葉物野菜ですが、その旬は冬の時期で、この時期は葉が厚く甘みが増して特に美味しくなります。ほうれん草と比べるとアクが少ないので下茹での必要はありません。味にもクセがなく食べやすいので、おひたしや炒めもの、味噌汁、お菓子に混ぜるなど様々な料理に使うことができます。生のままでも食べることができ、スムージーの材料としてもよく使われています。とても栄養豊富な野菜で、鉄分の他にもビタミンB、ビタミンE、ビタミンAに変化するβカロテン、カルシウム、カリウムなど多くの種類の栄養を含んでいます。

 

鉄分の働きとは

鉄分は私たちの体を守るために様々な働きをしています。赤血球を作って体全体に酸素を運んだり、鉄欠乏症貧血を予防したり、肝臓では毒物をなくす役割をしたりと、私たちが健康でいるためには必要不可欠な栄養素の一つなのです。鉄分が不足した状態が続くと鉄欠乏症貧血を引き起こしたり、疲れやすい、常にだるさを感じる、動悸がする、肩が凝るなどの体調不良を引きおこす原因となる場合があります。また、シミやシワができやすくなったり抜け毛が増えたりと、女性ならば気になる美容に関わることについても良くない影響を及ぼしてしまいます。いつまでもきれいでいたいと願うならば、鉄分にも気を配ることが大切なのです。

このように小松菜は子どもから大人まで年齢を問わず進んで食べてもらいたい食材です。特に月経がある女性、妊娠中の女性や授乳中の女性は貧血になりやすい状態ですし、赤ちゃんの発育のためにも積極的に食事に取り入れることがおすすめです。

ただし、小松菜に含まれている鉄分は非ヘム鉄という種類のもので、体内への吸収率が高くはありません。そこで吸収率を上昇させるために、タンパク質やビタミンCと一緒に摂取すると良いとされています。タンパク質は肉、卵、魚、豆腐などがありますが、どの食材も小松菜と相性が良いものばかりですので一緒に炒めるなどして食べることがおすすめです。また、ビタミンCは果物に多く含まれているので、献立の中に副菜として果物も取り入れるとより効果的です。

また、鉄分を摂取したい場合に気をつけるとよいことがあります。残念ながら鉄分はすぐに水に溶けてしまうという性質を持っています。そのため、小松菜を洗うときは手早く、茹でる時もできるだけ短時間で、さらに水分を搾り取る時も軽く搾るようにすると必要以上に鉄分を流出させずに済みます。また、電子レンジでの加熱調理も流出を最小限に抑えることができます。